一人静かに
安倍元首相のご冥福をお祈りいたします。
私たちの内なる死者を含めてまで、このような不当な死を
どうして許すことが出来るでしょう。
にもかかわらず、そのような死者に対して 安らかに眠れ と親和的に呼びかける
ふしぎな傲慢さが、どうしてできる?
英雄的な死、無名の死という飾られた錯誤のなかに個人が追放されることによって、私たちの思想的な死そのものを意味することになったのではないでしょうか。
どれほどささいな事実であっても、こうして活字にすること、表現することで世に残し、同時に私たち自身を確認していきたい。
明瞭にして沈痛なものがある。
死を避けえない生において、今を引き受けていく限り、死者は私たちの生と死に向けるあらゆる思いと生き続ける。
そして、そのような不当な死こそが
現実を生きる不当な生の明証でなくて、一体何であるのか。